NPO 茨城インドネシア協会
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          タフナからマナドへの日中航海日記
                                             南海 太郎

平成22年7月サンギヘへ私用で渡り、帰りに日中、前から考えていたスピードボートに乗った。
通常は、往復とも、夜行便であるから、周囲の風景はわからないのだ。
いつか、寝ないで、見てみようとの思いもあり、一日を無駄にすることにした。

午前9時、自動車で送られ埠頭に就く。
  ちょうど、北スラウェシ州知事選で、現職のサロンダヤン(SHS)が、艶消し茶色の軍用ボートで着いたばかりだった。

ここサンギヘではなかったようだが、隣のタラウドでは、議員全員と郡長が汚職容疑で全員つかまってしまったというスキャンダルに見舞われ、行政が停滞してるという。
郡長はマナドの裁判所で現在公判中だが、選挙には立候補している。

埠頭には、歓迎のセレモニーに備え、バンブー楽器奏者が待機し、偉いさんがまだ到着してない様子で、SHSも軍艦で待機している。
民間人なら、さっさと降りて目的地に迎えるのになんとも、、、、、。

どこでもお伴を引き連れる。 マナドでの移動は壮観だ。
パトカーが2台先導で、警笛ならしそのあとにDH-1のナンバーが続き、10台程度の赤ナンバーが、ハザードランプをつけ疾走する。

以前、私は彼らに意地悪をした。
ブルファード通りバフー付近で渋滞中、後ろからサイレンならしハザードを点滅させた一団が来た。
ちょうど私の車の後ろに付いた際、知らぬふりして走った。

先導車は怒り狂い、警笛とパッシングを繰り返した。これ以上邪魔すると、、、危険を感じ左に寄ったのだった。
突然、先導車が追い越す。 同乗者が私を睨んでいた。 日本では、天皇と首相、ときどき国賓の通行だと思う。 マナドでの渋滞に花を添えている。

ボートは、100トン程度の鉄船で特等(VIP)、2等がある。特等は正面にディスプレーがありカラオケがかかっている。右側のドアは、操縦室だ。
私の席は、1-A、全席の右側でACの眼の前だ。その椅子は、ちょうど航空機のビジネスクラスの椅子のようなゆったりとしたものだった。

カラオケの音がうるさい。  見送りの人間が帰り一人になった私は、船外に出て風景を楽しんだ。 船はエンジンをふかし、湾をでて南下する。
何度も行っている、マンガニツも海から見るとまた違った風情だ。結構奥深い街並みが見え隠れする。 
1時間程度走ったろうか。サンギヘ島の南端に達した。  ちょうどダゴのあたりか。
ダゴには、スハルト政権時代に作った埋立地があるが、現在まで15年以上利用されてない。

しかしここの友人の県会議長が言うには、まもなくフィリピンの会社が入るという。
いままでいろいろな国からオファーがあったが、いつの間にか消えている。
しかし今は、インドネシアの経済が発展しており周囲の状況も違っている。

たぶん成功するかもしれない。
ただその友人は、日本の会社が来ることを希望しているが、困難な状況には変わりない。

昔からサンゲル(サンギヘ)人は、マナドへ出稼ぎに行っている。 島には大きな産業がない。多くの成人はマナドで下積み生活をするが、中には成功者もたくさんいる。
よく、マナド人が椅子に座りたばこを吸いながら指図し、サンゲル人はこれに従い仕事をする。
彼たちは昔から働き者の評価がある。 色の浅黒い働き者は殆どサンゲル出身者だ。


船の前方に島影が見える。 しかしここで私は不覚にも眠ってしまうのであった。
船のスピードが落ちた。  窓から外を見ると、小さな無人島らしき黄緑色の草原様の小山のような島だ。
当日はベタナギで、ちょうど写真を見ている錯覚に陥った。
どこからか、運搬用の小舟が、病人らしい人を連れ近寄ってくる。
事前に連絡して待ち構えているようだ。 ちょうどそのさまは海賊が近寄ってくるようだ。

カラマ、カラキタン、パラ島だ。住民がいるようだが、電気はあるだろうかと心配する。住民がいるということは、水はあるのだろう。 

小舟が離れ、同時にボートもスピードを上げる。
どこでもそうなのか、操縦室にスタッフの友人か家族かが入っている。
わたしも暫く操縦室で周囲の風景といっても海だけを眺めたのだった。

前方に近くに見えても、中々着かない。 たぶん30ノットは出ている。ここらではかなりの高速なのだろう。  

まもなく シアウ島が見えてくる。 以前10年前にもマナドのブルファーから出た朝発のスピードボートに乗ったことがある。このときは、シアウ島の西側に着き人荷物を下した。

今回もそのつもりでいたら、島を右舷に見て島の東側だった。
シアウは乳房のように二つの山が島を作っている。 北側が活火山のカラゲタン山だ。
その裾の周りに張り付くように家が見える。 教会もある。
このようなところにも人の営みがある。 

この文章を書くまえに、カラゲタンが噴火し、行方不明者がでたと聞いた。
私の見た家は大丈夫なのだろうか。

ボートから桟橋の海底が透き通って見える。
小さな熱帯魚が群れをなして泳いでいる。 だれも見向きもしない。
多分それは、ただ単に暑いから釣りをする人間がいないだけだろう。夜は夕涼み方々釣りでその日の糧を得ている。

シアウで降りる人数は少ない。乗船客が大半だ。
多聞に漏れずここも働く場所がない。中学高校が終わると大半がマナドへ出る。
しかしまだ子供の数は減ってないという。 日本の少子高齢化とは全く違う。
多子高齢化なのか。

マナドへ送る物資を載せ終わったボートは岸を離れる。
時間があれば歩いてみたい衝動に駆られる。                 つづく
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